1.全ての人へ
・始めに
お尻からの出血など、少しでも「気になる症状」や「不安」がある人は、勇気を出して、病院に行きましょう。
私も、そうでしたが、お尻の悩みで病院に行くことは、強い抵抗を感じてしまい、ついつい我慢して、後回しにしてしまいます。しかし、一人で悩んでいても、何の解決にもなりません。不安も解消されません。まずは、病院に行くことが、全ての不安を解決するための第一歩です。
私の体験談によって、少しでも病院を身近なものに感じ、病院に行く勇気を持ってもらえたらと思います。
・ 症状
最初の症状は、
排便時に、突然、真っ赤な出血。トイレが血に染まった。痛みは全くなく、お尻を拭いても、肛門周辺には、切れている様子は無い。痛みも無い。
翌日・・・
昨日の「出血」は、一体、なんだったんだろう。
その後、様子を見続けるが、相変わらず出血は無い。ただ、排便後、肛門に一時的な痛み、腫れているような感覚は有り、それも、数分経てば、いつのまにか治ってる状況。
なんとなく、痔なのだろうと思い、市販の「ボラギノール」を買ってお尻に塗ってみるも、効果は、あったのか、なかったのか分からない。
しかし、3ヶ月後、会社の健康診断で、便ヘモグロビンの検査の結果が「陽性」となり、総合判定が、
要精密検査と出た。
これは、一大事!
急いで、病院探しを始めた。
・病院探しから通院へ
病院って、何科に行けば良いの?
インターネットで、ストレートに「肛門科」をキーワードにして検索。見つけた病院は、隣の市にある病院。総合病院では無いけど、手術もするし、入院施設も整っている。ホームページを見ると、さまざまな痔の手術の実績もあるようだし、ここに行こうと決めた。
会社が休みの日に、さっそく、初めての「肛門科」へ向かいました。
待合室で、周りを眺めると、患者さんが30人以上は待っており、大変、盛況な様子。肛門科というと年配の方の病気というイメージがあったけど、若い男女も若干名いる。みんな、お尻の悩みを抱えている。恥ずかしい気持ちと緊張で、ひたすらスマホを眺め、うつむき加減で、順番を待つ。
自分の番号が呼ばれ、診察室へ。(※病院内では名前ではなく番号で呼ばれる)
・1回目の手術(痔核結紮術)
診察室に入ると
ベッドに横になって、壁の絵のような態勢になってください。
は、はい。壁の絵?!
壁の絵を見ると、完全に真横に向いて、ズボンを膝まで下げて、「前も後ろも丸出し状態」なんですけど。。。一応、タオルケットみたいなので前は隠しているけど。
先生は、器具を取り出し、
肛門の中を診ますね。立派な痔瘻(じろう)が有るね!これは出血するわ。あんた、仕事があって会社は休めないでしょ。縛って取るよ。
突然の出来事過ぎて、訳が分からないまま
はい。(縛る?!)
どうやら、痔核結紮術(けっさつじゅつ)といものらしい。
詳しくは、こんな感じ。
痔核結紮術(けっさつじゅつ)
内痔核をしばって痔核を壊死させ自然に脱落させる手術。
痔核の根本をしばり血流を止めることにより時間(1~2週間)をかけて痔核が壊死していく。
術後は1・3・5週目後に通院。良い点
病院案内より
手術時間が10分程度で日帰りが可能
麻酔(ますい)もほとんど使用しない
悪い点
根治的な手術ではないため、再発の可能性がある
すぐに手術が始まり、お尻に器具が入る。
しばらくすると、「バチッ」と音がして、なんともいえない鈍痛が襲う。ただし、痛いというほどのものではない。我慢できる痛さ。
終わった。うまくできた。
その後、お尻から出血するから、ナプキンを付けると話しがある。当然、初めてのナプキン。診察室を出て、別の部屋で術後の点滴を受け、会計を済ませ、飲み薬4種類と座薬と軟膏をもらった。
そして、次回は、1週間後。
1週間後、仕事前に、病院に行き、経過の状況を確認してもらう。順調に治っているようだ。こうして、お尻の悩みから解放された。
と思っていた。
・2回目の手術(痔核結紮術)
半年後、なんとなく、お尻に違和感を感じ始めた。
恐る恐る、お尻を触ってみると、肛門の周りが腫れている。
やっぱり。。。痔だわ。これ。。。
半年ぶりに、前回の病院へ。
また、出来てるね。痔瘻だわ。手術で取るよ
前回と同じ痔核結紮術(けっさつじゅつ)。
一度、経験している事もあって、気持ち的には、慣れたもので、前回よりも違和感はなく手術が終わった。その後、前回同様、点滴して、薬をもらって帰宅した。
・先生が交代となり、3度目の手術へ
2年が過ぎた頃、また、だんだんとお尻に痛みが出るようになってきた。
出血は無いけれども、排便後にお尻が腫れている。
またかぁ。
と思いながら、何か大きな病気になっても嫌なので、休みの日に病院にいった。
久しぶりの病院、すでに肛門科に来ることに抵抗はなく、恥ずかしいという気持ちも無くなっていた。今回、違った事は、診察してくれる先生が、若先生(息子)になっていた。
診察室に入り、いつもの態勢で準備していると、先生から
一緒にカメラで、お尻の状況を見ましょうか?
と、映像をモニターに映してくれた。今まで、謎に包まれていた自分のお尻。
肛門の周りは普通のお尻ですね。中を見ていきます。あー、これは、結構、しっかり目の内痔核ですよ。大きいのが2つ有りますね。
モニター越しに、素人目で見ても分かる。うっ血し充血した内痔核。膨れ上がっている。一通り、診察した後、
今後の方針としては、2つあるよ。どうする?
提案① 何もしないで、このままにしておく。薬を処方し、この痔と付き合っていく。
提案② 痔核硬化療法(ジオン)[4段階注射法]によって、今の痔の大きさを小さくする。現状の大きさを10としたら、4まで小さくすることが出来る。ただし、これは根治ではないし、4・5年くらいしか持たないと思ってもいい。ただし、丁寧なお尻の使い方をすれば、10年もつかもしれない。その時は、また、痔核硬化療法(ジオン)をすることも可能。あるいは、その時は、根治の手術を行っても良い。この痔核硬化療法(ジオン)をする場合は、1泊2日の入院が必要になるけど、気楽に考えてもらえば良いよ。
少しでも改善するならばと考えて、
痔核硬化療法(ジオン)をお願いします。
その後、看護師さんと予約の日程を決めた。部屋は、1泊2日だし、予算の事も考えて大部屋(4人)にした。人生、初めての入院。土日で行うから、会社には何事もなかったように、月曜日から出社できる。
2.入院から退院まで(1泊2日)
・入院前日
前日は、2週間前の通院時にもらった「入院案内の案内文」を読み、「持ち物の確認」をした。
持ち物は、
・洗面用具、着替え、下着、ティッシュ・マスク、スリッパ、生理用ナプキン
・入院誓約書
・入院時記入用紙
・新型コロナウイルス感染に関する取り決め
・1日目(手術 痔核硬化療法)
13時00分 車で病院に到着。
14時00分 部屋案内。4人部屋の大部屋に通される。
14時15分
今日は一番目の手術です。手術前に「かんちょう」で、大腸に溜まっている便を出します。5分くらい我慢してから、排便してください。では、いつもの態勢になってください。
横になり、いつもの態勢になると、250mlくらいの水溶液を、お尻から注入。しかし、1分くらいは、我慢するものの・・・
すみません。5分も無理です。お腹、痛いです。。。トイレ行っても良いですか。
良いですよ。行ってください。
14時30分 「かんちょう」後の排便が終わり、自室のベッドに戻り、神妙に手術の時間を待っていると、隣の部屋から(ぶりっ、ぶりぶりぃーーーー)爆音が聞こえる。大きい音のオナラ。
いやぁー、手術してから、オナラがよう出るようになったわ。
大部屋の洗礼を受ける(T_T)
15時00分 手術開始。
最初の1本目の注射がお尻に注射を打たれ、なんともいえない鈍痛がする。そして、次々と注射が打たれていく。一体、何本打たれたのだろう。手術の間、先ほどの「かんちょう」で、全ての便が出たのだろうか?と急に不安がよぎり、途中から、お願い、(うんこ出ないで)と心の中で祈り続けていた。しばらくすると、
これで最後の1本だよ。
と言われ、無事に終了した。手術の所要時間は15~20分程度。
終わりました。お疲れ様です。
ありがとうございました。
15時30分 部屋に戻って
点滴をしますね。
15時55分 点滴が終わり、
19時に夕食です。それまで、ゆっくりしていて下さい。
19時00分 夕食
夕食を食べた後、何もやることが無く、暇だったので、ひたすら携帯で本を読んでいた。ちょうど、Amazonの「kindle Unlimited」に、プライムデー価格:3ヶ月で99円を契約したばかりだったので。
Amazonの「kindle Unlimited」とは、
・新作は読めない、旧作が読み放題。私は「ブログの書き方」を検索して、ブログ関連の本を読んだり、漫画「東京家族」全5巻を読んだ。
22時00分 消灯
・2日目
5時30分 起床
大部屋のため、周りの人達が起きだし、自分も起きた。
6時30分 点滴
点滴の時間ですよ。腕を出してください。
7時00分 食事
9時00分 先生の診察(回診)
2週間後に、また来てください。お薬を出します。
お薬を受け取ったら帰っていただいて良いですよ。
ありがとうございます。
9時30分 退院
2020年10月18日(日) 晴天。たったの1泊2日だったけど、外の空気が清々しい。
3.まとめ
・3度の手術を通して学んだこと
・肛門科に行くことは、恥ずかしいことではない、最初は診察台で横になる事に抵抗を感じたが、先生も看護師さんも、見慣れて当たり前の光景、誰も何とも思っていない。
・痔の根治は、根治手術をしないといけない。数日間、入院する事ができる人は、手術で根治した方が良い。
・痔核結紮術(けっさつじゅつ)・痔核硬化療法(ジオン)[4段階注射法]を体験したが、手術時間が短く、痛みも少ないため、私のような会社員の人、手術が怖い人におすすめ。
しかし、この2つの手術は、根治はしていないので、今後の人生も「痔」と付き合っていく事になる。
・痔の原因は、力んだ排便だと思う。手術後、薬を飲んでることもあり、毎日、力まず排便できている。
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